第23章 別離
『あのさ…、
不死川さんが助けに来てくれたみたいなんだけど…、』
「そうみたいですね。
不死川さんもさんの事をとても心配してましたよ?」
『え、本当に…?
怒ってたんじゃなくて?』
「はい、不死川さんが誰かを心配するところなんて見た事がなかったので、とても驚きました。」
そうなんだ…。
助けに来てくれた上に心配までかけさせて…
やっぱり私はまだまだ未熟だな…。
『あ、あとさ、
鬼に囚われていた女の人達は…』
「大丈夫です、大事には至りませんでした。
その場に捕えられていた人達は
皆さん家族の元に戻りましたよ?」
よかった…!!
じゃあ私が庇った娘さんも
お母さんの元に帰れたんだ…。
街で絶対助けるって約束したし
ちゃんと守れたことにホッとした私は
また別の質問をしのぶちゃんに問い掛けた。
『しのぶちゃん…、
もう一個だけ聞きたい事が…』
「なんでしょう?」
『冨岡さんは…、今回の私の件……知ってる…?』
…恐る恐る尋ねた途端
少しだけ顔を歪めたしのぶちゃん。
その様子から察するに、冨岡さんはもう
私の身に起きた事を知っているんだろう…。
「冨岡さんは、さんがここに運び込まれた日にはいらしたんですが…、
その後は任務がある為、一度も来られてなくて…」
『ん…、そっ、か…』
鬼にやられそうになった私を見て
幻滅させちゃったかな…。
自分なりに一生懸命やったつもりだけど
不死川さんが助けに来てくれたおかげで私は生きてる…
まだまだ至らなくて弱い自分が情けないな…。
それに、発情させる毒を浴びせられたことも
未熟過ぎてガッカリさせちゃったかもしれない…。
「…あの、さん?
そんなに落ち込まなくても大丈夫ですよ〜。」
『でも…、上弦でもない鬼に負けたのは事実だから…』
大正時代に来て、初めて鬼を見た時以来の敗北に凹んでいると、しのぶちゃんは私の頭を優しく撫でてくれていた。