第23章 別離
『っ!!!』
え……、ここ……は………
さっきまでいた道端…、じゃない…。
『嘘……、夢、だったの…?』
私は今、ベットに横になっている状態で
視界に入った天井は見覚えがある、蝶屋敷の病室だ。
『ぁ…、よかっ、たぁ……』
冨岡さんに別れを告げられたことは
どうやら夢の中での出来事だったようで…
私は心からホッとして、大きく息を吐いた。
それでも、あんな縁起でもない夢を見たことで
現実ではないとはいえ悲しい気持ちになっていると
私がいる病室の扉が開き、そこからしのぶちゃんが顔を出した。
「さん…っ、良かった…
やっと目が覚めたんですね。」
『しのぶちゃん…!』
そんなに日数は経っていないはずだけど
しのぶちゃんは起きた私を見て
すっごく安心した顔をしていて…
「心配したんですよ?
すぐに目覚めるかと思っていたんですが
丸3日も意識が戻らなかったんですから…。」
…うん、結構日にち経ってた。
『ごめんね…。
でもたくさん寝たから体は元気だよ!
すぐにでも復帰…』
「だめです。
さんは鬼の毒を喰らったんですから
ちゃんと検査をして、手足の傷も治して下さい。」
『っ、はい…。』
にっこり笑顔で話すしのぶちゃんは
言葉は丁寧だけど圧を感じて、私は素直に返事をした。
…こういう時のしのぶちゃんには
逆らわない方がいいって学んだからね。
「それで、さん…、
鬼との戦いについては…、覚えてますか?」
『あー…、うん…、何となくだけど…』
正直言って、あの鬼との戦いは思い出したくない。
無理矢理体に触れられて
毒のせいで感じてしまった自分が情けなくて恥ずかしいから…。
しのぶちゃんもそれを分かってくれているのか
深く尋ねてくることはなかった。