第23章 別離
「さん、
今回は鬼との相性が悪かっただけです。
きっと冨岡さんも、さんが弱いだなんて思っていません。」
『そう…かな…』
「勿論です。
でも、気になるようでしたら
また便りを書いてみたらどうでしょう?」
手紙かぁ…。
確かに以前、手紙でやり取りした時はすっごく楽しかったし、冨岡さんの綺麗な字を読むのが好きだった。
甘い言葉も沢山綴られていて
会えなくても幸せだなって思った…。
でも、今回は私が鬼に負けた事で
冨岡さんに幻滅されてたらどうしよう…、と
夢で見たことが現実でも起こるんじゃないかって
そんな被害妄想をしちゃう…。
それか、敗因について言及されて
鬼とはいえ、他の男の人の前で発情した私に対して
お叱りを受けるかもしれない……。
もし、夢と同じように
冨岡さんに嫌われちゃったら、永遠に立ち直れない気がする…。
「さーん?大丈夫ですか〜?」
『っ、う、うん!大丈夫!!
あの、手紙は……、体が回復してから書く、ね……?』
「そうですか。
まぁ、確かに今は目覚めたばかりなので
安静にしておくことに越したことはないでしょう。
さん、ゆっくり休んで下さいね。」
『分かった。
しのぶちゃん、手当てありがとね。』
私のお礼に対して優しく微笑んだしのぶちゃんは病室を出て行き、再び1人きりになった私は、ベットに横たわった。
そして頭に思い浮かんだのは、鬼との戦いのこと…。
『はぁ……、本当に嫌な相手だったなぁ……』
しのぶちゃんは相性が悪かったと言ってたけど
不死川さんが来てくれなかったから、私は間違いなく殺されてた……。
もう二度とあんな醜態を晒して
無様な負け方はしたくない…。
もっと力を付けて沢山鍛えないと
冨岡さんに相応しい人間にはなれないから。
『うー……、会いたいよ〜……』
冨岡さんの顔を思い浮かべた私は
彼に会えない寂しさを紛らわす為に、早く体が回復するようにと目を閉じて眠りについた。