第16章 男女 ✴︎
「そうか…、あの時も泣いていたのか…」
『はい…。
泣き止んだ後に
不死川さんが忘れた手拭いを届けに来てくれたから…、あ、冨岡さんに泣かされた訳じゃないって、ちゃんと伝えましたよ?』
「そんな事は気にしていない。」
『??じゃあ、何を気にしてるんですか?』
「…、目が赤くなったお前も…
俺は可愛いと思ってるから…
不死川だけではなく、他の男にも…見せたくない…。」
『はい!?な、何言ってるんですか!?
不死川さんもひどい顔してたって言ってましたけど!?』
「そんなことはない。
お前の白い肌には赤色がよく映える…、
とても美しい…」
『っ…ー!!』
絶対ひどい顔だと思ってたのに
冨岡さんがそんな風に思ってるなんて知らなくて…
再び優しくスッと瞼をなぞられると
冨岡さんの手が私の頬に添えられた。
「のどんな顔も好きだから…
俺だけが独り占めしたいと…そう思ってる。」
『っ…』
なんか冨岡さん…
私に対して日に日に甘くなっていってるような気がする…。
視線とか声とか雰囲気とか…
冨岡さんから醸し出される空気から
私への思いが伝わってくるような感じがして…照れちゃうよ…。
「俺は…思っていたより独占欲が強いらしい…。
自分でも驚いてる。」
『えっと…、嬉しい、です…。
冨岡さんがそんな風に思っててくれて…。
これからも冨岡さんのこと、色々知っていきたいです。』
独占欲が強いことに苦手意識を持つ女性もいるだろうけど、私は好きな人から独り占めしたいって言われても
全然嫌な気持ちにならなくて、嬉しいって思った。
冨岡さんのことを知れば知るほど
好きな気持ちも比例して大きくなっていくから…
きっと、この人になら
私の一生を捧げても幸せになれるはず…。
そんな未来が訪れることを期待しながら
私と冨岡さんは、そのまましばらくの間、
屋敷内で2人きりの時間を過ごした。