第16章 男女 ✴︎
『え、え…、急にどうしたんですか…?』
「…。このままだと、お前を襲ってしまう。」
『へっ…?』
「蕩けた顔で好きだと言われ…理性が飛び掛けた…。
きっとこの先は
お前が嫌がっても止められない…。」
『冨岡さん…』
私の隊服を元通り綺麗に整えてくれた冨岡さんだけど、きっと相当我慢してるはず…。
それでも私の気持ちを優先して
辛くても堪えてくれていて…。
押し倒されていた体勢から起き上がった私は
そのまま冨岡さんの胸に飛び込んだ。
『ありがとうございます…。
冨岡さんって…本当に優しいですね…?』
「優しくはないだろ…。
最後までしていないとはいえ…、強引な事をして…ごめん…。」
『ふふっ、確かに強引でしたね。』
「悪かった…。初めて見たお前の体が
あまりにも綺麗過ぎて…、興奮した…」
…そう言いながら
私の体を包み込むように優しく抱き締めてくれる冨岡さん。
耳に入ってくる心音はずっとドキドキしたままだけど、私にとって冨岡さんの胸の音はすごく心地の良いものに思えた。
『私…、嬉しかったです…。
冨岡さんの男の人としての一面が見れて…
幸せでした。』
「そうか…。
俺もの女として悦んでいる姿が見れて良かった。」
『あ…。その事でちょっと聞きたいんですけど…
私、男の人と…、さっきみたいな…
その…淫らな行為をしたのは初めてだったんですが…、冨岡さんは違いますよね…?』
「…?いや、俺も初めてだが…。」
『えっ!?ほ、本当ですか!?』
嘘でしょ…。
じゃあ冨岡さんが女性の体に触れた相手は
私が初めてってこと…?
その割には随分……手慣れていたような……
『あの…、私に気を遣って嘘をついたりとか…」
「してない。そもそも女に興味がなかった。
…なぜそのような事を聞く?」
『そ、それは…』
冨岡さんの質問に答えるのは
さっきまでのやらしい行為の感想を伝えるようなもの…。
少し思い出しただけで
湯気が出そうなほど顔が熱くなった。