第15章 潔白
「ちょっ…、水柱!!
一般人の親父に何してるんですか!!」
冨「黙れ…。
散々を侮辱したお前達親子に…
堪忍袋の緒が切れた。」
「っ、元はといえば!!
この人が西口を誘惑したから悪いんですよ!?」
冨「…。お前達がの何を知ってる…?
コイツは人の心を弄ぶ様な女じゃない。
何も知らない奴等が勝手な想像をして……
っ、を愚弄するな…!!」
『っ…』
…父親の首に刀を突きつけたまま
隊士の人に怒鳴った冨岡さん。
この人が怒鳴るところなんて初めて見たけど
迫力がありすぎて体が震えた。
でも…、冨岡さんが怒ってるのは
私が悪口を言われたからで…
雰囲気はめちゃくちゃ怖いけど、私の為に怒ってくれるのは…すごく嬉しかった。
し「冨岡さん…、怒りたくなる気持ちも分かりますが、刀を収めて下さい?」
冨「…。」
し「まだ話の途中ですし…、
さんの目の前で人を殺す気ですか?」
冨「っ…。」
…しのぶちゃんの一言で私の方を振り返った冨岡さんは、落ち着きを取り戻してくれた様で
直ぐに刀を鞘に収めていた。
『冨岡さん…私は大丈夫ですから…。』
冨「…そうか。」
「はぁっ、はぁっ…、おい!!何なんだお前は!!
いきなり刃を突き付けるとは無礼だろう!!」
…刀から解放されたことで
荒く息を吐いている父親は、立ち上がって冨岡さんに怒鳴り始めていた。
「おい…!!何とか言ったらどうなんだ!?」
冨「…。」
「貴様ッ…!!儂を無視するんじゃない!!」
し「まぁまぁ。お父様、落ち着いて下さい?
話が全て終わってから、ちゃんと謝罪致します。」
「フンッ…、生半可な謝罪は受けないからな…
覚悟しておけ!!」
その父親は、怒りながらだけど
再び座布団にドカッと腰を下ろしてくれていた。