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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第14章 濡衣




『…しのぶちゃんには本当に感謝してる。
だからもう私の事は気にしないで?』


「っ、そんな、こと……出来ませんよ…」


『…。ごめん、暫く1人にしてくれないかな…?』




しのぶちゃんの辛そうな顔を見たくなかった私は、部屋から出て行ってもらうようにお願いすると
渋々な様子で私を1人にしてくれた。





『あーあ…。
最悪の場合…、鬼殺隊を辞める事になるのかなぁ…』




どうしてこんな事になっちゃったんだろう…。


やっぱりどの時代でも
権力を持った人には敵わないって事なのかな…。



私には血の繋がった家族は誰もいないけど
鬼殺隊に入ってから大切な人がたくさん出来た…


鬼殺隊は私にとって大切な居場所だった…。




でも、鬼殺隊を辞めさせられたら
私には一体…何が残るんだろう…。




『っ…』





きっと何も残らない…

空っぽになった自分を想像しただけで恐怖を感じ、体が凍えるように震えた。



恋人になったばかりの冨岡さんにも
何も持たない私に、いつかきっと愛想を尽かすよね…。


もし本当にそんな事になったら悲しいけど
その時は…ちゃんと素直に受け入れよう…。



強くてかっこいい水柱の冨岡さんには
何も持たない私なんかより、しのぶちゃんみたいな人の方が相応しい。



何人かの隊士達もそう言っていたから
私が冨岡さんと別れたら、みんな納得するはず…。




本心を言うと、そんな事にはなってほしくない…
冨岡さんと離れたくなんか無い…。


でも、冨岡さんを繋ぎ止めておく権利は
私にはない…。






『ごめんなさい、煉獄さん…。
貴方との約束……守れないかもしれません…。』






……完全に意気消沈している私は
その日から数日間、ずっと自室に引き篭もって過ごしていた。





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