第12章 真意
『ちょっ……眼鏡…!』
「お前のこの素顔を一目見ただけで
心を奪われるような感覚だ。
今ならその理由が分かる…。」
『…っ、教えて下さい…、ちゃんと、貴方の言葉で…。』
「俺は… という
1人の女に惚れている…。
初めて出会った時からずっと…。
一目惚れ、というのだろうか…。」
真っ直ぐに私を見つめる青い瞳には
熱がこもっているように見えて…
目を逸らす事が出来ずに話を聞いていると
冨岡さんの片手が私の頬に添えられた。
「だが、お前と接して関わっていくうちに
見た目だけでなく心も美しいお前に…
自身に惹かれていった…。」
『っ、冨岡さん…』
「……、
俺はお前が……好きだ…。」
…嬉しい。
嬉し過ぎて言葉にならない…。
好きな人に真正面から告白をされるのが
こんなにも嬉しくて…、幸せな事だなんて知らなかった。
煉獄さんが言ってくれたように
冨岡さんは本当に器が大きくて、私自身を受け止めてくれる…
私はそんな優しい冨岡さんが…
『私も…冨岡さんが好きです…。
初めて山の中で会った時…
私も冨岡さんの事を
綺麗な男の人だなって思いました。
思えばあの時から…
貴方に惹かれていたんだと思います…。』
「っ…」
…あ、ほっぺと耳が少し赤くなった。
表情は変わらないけど
冨岡さんは私の返事を聞いたら照れちゃったみたいで…
何だか少し可愛くて、私は小さく微笑んだ。
「…何を笑っている。」
『ふふっ、ごめんなさい。
なんていうか……幸せだなぁって思ったんです。』
「…。」
『…?冨岡さん…?っ、ぇ……』
…反応がない冨岡さんを不思議に思っていると
少しずつ私に顔を近付けて来ていることに気付いた。