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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第8章 上官



と出会ってからこれまでの間、

俺は様々な感情を持つようになった。



これまで感じた事のない感情ばかりで

病でも患ってしまったのか…と考えたが
体は至って健康。



ただ、俺の心が無の状態から変化する事が増え

自身の事が理解出来なくなってきていた。



せめてこの感情が何なのか分かれば
対策を練る事が出来る…。





俺が抱えている気持ちの正体…


どうやら御館様は既に分かっているようで
俺を優しい眼差しで見つめていた。






「義勇。すまないがその答えは…
自分で導き出すしかない。」


「!!…何故、でしょうか。」


「それはね、今の義勇が抱いている気持ちが
とても大切なものだからだ。
…君は、のことを守りたいと
心から思っているかい?」


「はい…。彼女に危険が迫ることがあれば
全力で護ります。」



御館様からの問い掛けに
俺は恥ずかしげも無く、即答した。

…スラスラと己の口から出た言葉に
俺自身も驚いた程だった。





「その思いがあるなら大丈夫だ。
義勇ならきっと、自分の気持ちに気付く日が来る。
私はそう信じているよ。」


「…御館様、最後に一つだけ
お聞きしたいことが御座います。」


「何だい?」


「私が抱いている感情をが知ったら…
不快に思わせてしまうでしょうか…」



…口にして想像するだけで、胸が苦しくなり
絶望感が押し寄せた。



今後、との関わりを断てば
感情に左右される事なく、以前のような自分を取り戻せるだろう…。



…だが、俺の心はそれを望んでいないようだ。






「君のその気持ちは
例えじゃなくても不快に思わない…
寧ろ嬉しいと思うはずだよ。」

「嬉しい……?」

「あぁ。だから自信を持つといい。
義勇…、自分の気持ちを大事にしなさい。」


「…御意。」





御館様との話はそこで終了し
俺は産屋敷邸を出て、自分の屋敷に戻り

そのまま道場である一室に足を運んだ。






「……気持ちを大事に、か。」





御館様のお言葉を何度も思い返しながら
俺は瞑想を繰り返したが…




…頭の中にはの顔ばかりが浮かび
あまり集中力を高める事ができなかった。









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