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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第8章 上官






私が鬼殺隊の一員となってから1ヶ月が経った。



足と肩の怪我も完全に回復したから
私は蝶屋敷の仕事をこなしながら
時々、鬼を狩る為の任務に出ている。



1人で任務に出る時もあれば
カナヲちゃんと共に行く時、
他の隊士達数人で、警備に回る時もある…



下弦の鬼を倒した以降は
強敵と思えるほどの鬼には遭遇しなくて
怪我を負うことなく、鬼を退治してる。



雪の呼吸を身に付けてから
以前よりさらに感覚が鋭くなってきて
鬼の気配を感じることが出来るようになった。



この大正時代に来てから
少しずつ自分の実力が上がっていることを実感できて…



色んな人の役に立てるのが嬉しくて
毎日充実した日々を送っている。



こんな風に生きていけるのは
あの日……冨岡さんに命を救って貰ったから…。



感謝してもしきれなくて
私はここ最近、冨岡さんのことを考えない日はなかった。



またあの人に稽古をつけてもらいたいけど
やっぱり柱の人と都合を合わせるのは難しくて…


私も鬼殺隊の任務に出る事が増えたから
蝶屋敷まで護衛してもらったあの日以降は
冨岡さんとは会えない日が続いていた。




『はぁ…』

ア「さんが溜息とは珍しいですね。
何か悩み事ですか?」

『あ、ううん。別に悩みって程でもなくて…』




…無意識に溜息が出るとかやばいな、私。



今はアオイちゃんと洗濯物を干している最中…

せっかく快晴のいい天気なのに
なんだか私の心は曇っているような感じで
ため息を溢してしまったみたい。




ア「疲れてるなら休んで下さいね。
程よく休まないと、任務に支障をきたしてしまいますから。」


『うん…、その辺りはちゃんと気を付けてるから大丈夫だよ!』




体は本当に頗る元気なんだよね…

任務の指令が来たら喜んで行くし
傷付いた隊士の人達のお世話だって、全然苦痛じゃない。



でも…


心にポッカリ穴が空いているような
この焦燥感は何なんだろう…。



自分で自分の事がよく分からなくて
黙々と洗濯物を干す手伝いをしていると
縁側の方から私を呼ぶキヨちゃんの声が聞こえてきた。




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