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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第6章 唐突




「水柱…、来て下さったんですね…」


「…何があったのか、話せるか。」




俺の質問に頷いた隊士も負傷しているようで
立っているのが辛かったのか、地面に膝をついて話し出した。






「仲間がみんな殺されて
俺が1人で鬼と戦っていた時…、この人が……
さんが助けに来てくれたんです。
下弦の鬼を相手に怯えもせず……
とても勇敢に戦っていました。」




俺の腕の中で眠っているに隊士は視線を向けていたが…



隊士の目付きは
仲間に助けてもらった恩を感じているものとは違う気がした。





「俺は……この方にまた命を救って貰いました…。
本当に…素敵な女性です…。」


「…。」




…"また"という事は、は以前に
この隊士と関わりを持ったのか?




まるで見惚れているような隊士の目付き…。


そのような目でを見られると
俺は何故だか気分が悪くなり、2人が顔見知りであることに苛立ちを感じていると、空から舞い戻ってきた鴉が俺の肩に止まった。






「カァー、事後処理部隊、隠ガマモナク到着。
下弦ノ鬼ヲ撃破シタト、御館様ニ報告シテキタァ。」


「…仕事が早くて助かる。」


「ソノ娘ハ、産屋敷邸ニ連レテ来イトノ指示ダ。」






御館様の屋敷に…?



あの御方は
既にの存在を知っていたのか…。



流石、産屋敷家の当主様だ。



はまだ
御館様と面識はないと思うが、コイツなら大丈夫…



きっとすぐに気に入ってもらえるだろう。





力尽きて眠っているだが
御館様が側にいて下さるなら安心だ。



目が覚める気配が全くないの寝顔を見ていると、奇妙な眼鏡を掛けてはいるが
素顔の時のような美しさがあり…



俺は彼女の傷に触れぬよう、腕に力を入れて
の体を抱き寄せた。






「……お前が無事で…
本当によかった…。」


「……水柱?」




体に伝わってくるの体温は心地良く、癒される…



隊士が声を掛けている事にも気付かず
俺は隠部隊が到着するまで、の体を抱き締めていた。












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