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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第1章 現代





『……仕事…行かなきゃ…』




働く気なんて全く起きないけど
社会人である以上
ずっと休み続けるわけにはいかない。


私は、勤め先の病院に連絡して
1週間も休んだことを謝罪し、今日からまた出勤することを伝え、病院に向かった。



歩き慣れた道をとぼとぼと歩いていると
すれ違う近所の人から、何度も視線を感じた。


…哀れんでいるような、同情しているようなその視線がグサグサと突き刺さり、とても不快だ。




私は歩くスピードを速めてしばらく歩き続けた私は、病院の敷地内に入ってからも、同じような視線を向けられた。



それは、病院の医師や看護師だけでなく
患者さん達も私をチラチラと見ていた。




思っていたよりも
ニュースで取り上げられたあの事件が病院内に広まっていることに驚いたけど

そのうちみんな忘れて、誰も気にしなくなるよね…



こんな風に視線を向けられるのは
きっと短期間だけ…、少しの辛抱だ。



私は、半ば諦めた気持ちのまま
更衣室で仕事着に着替え、仕事場に向かった。





『おはようございます…』

「あ…さん…、お、おはよ…」




挨拶をすると、
あからさまに気まずそうにしている同僚の看護師達。



これもまた、仕方のないことだと諦め
ため息が出そうになるのをグッと堪えた私は、また普段通りに仕事をすればいいだけだ…と、そう思っていると

私の元に、上司である看護師長が近付いてきた。





「さん、ちょっといい?」

『師長…。あの…何日間も休んで…
申し訳ありませんでした…』


「いいのよ、事情が事情だもの。
…あのね、病院長がさんを呼んでるの。」

『病院長が…?』

「えぇ。すぐに院長室に来るようにって。
ここの仕事はいいから、行ってきなさい。」

『わかりました…』





看護師長にペコっと頭を下げた私は
言われた通りに院長室へ向かった。



一体何を言われるのか検討もつかないけど
数える回数しか来たことのない院長室にやってきた私は、扉をノックしてから中に入った。




…そして、病院長は
耳を疑うようなことを私に伝えてきた。






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