第6章 唐突
「はぁーっ…、覚悟しろよ…?
アタシをここまで怒らせたんだから…
苦しみながら死ね……。
血鬼術………百蔓無双…!!!!」
先程とは比べ物にならない程の量が零余子の体から出てきて…
尋常ではない量に怯みそうになったけど
私は強く刀を握り締めて、思い切り息を吸った。
…上手くいくかどうかは分からないけど
やってみる価値はある。
雪の呼吸は私が編み出した型…
…技を創造できる可能性は、無限大なんだから。
「くたばれ!!!!クソ女が!!!!」
『雪の呼吸…、参ノ型……灰雪乱舞…』
刀を両手で持ったまま
体を回転させて、ヒラヒラと舞い散る灰雪をイメージして作った技…
鋭く、そして早く舞を舞う…
死角を作らないように
ひたすら体を動かし続けると、大量に伸びてきた蔓を全て切り落とすことができて…
「!?そ、んな……私の血鬼術が……」
『っ…』
…鬼が驚いて、唖然としている今が絶好の機会。
また新たな蔓を体から出される前に
私は零余子との距離を一気につめて、鬼の首に刃を振るった。
この鬼が出してきた蔓は
ただの植物とは思えないほどの硬さだったから…
きっと鬼の首も相当硬いはず。
私は体中の力を手へ一気に増大させて
さらにもう一つの……新しい型の技を創造した。
「雪の呼吸、弍ノ型……玉雪斬伐…ッ!!!!』
…玉雪は比較的大きな雪。
力強く降れば忽ち雪が積もる。
そんなイメージで作った弐ノ型は
粉雪斬りと違い、静けさはないけど力一杯の斬撃を与える…
振り絞った全身の力を刀に宿すと
零余子の首はグシャっと音を立て、千切れたように吹き飛んで……
苦しそうな表情をした鬼の首は地面に転がった。
『……やっ…た…』
無理だと思ってたけど
諦めずに頑張ったから下弦の肆を倒せた…。
首が地面に転がったのを見た私は
すぐに体力の限界が来て、立っている事すらできす、地面に横たわった。
冨岡さん…
貴方が言った通り、心を強く保ち続けていたら鬼を倒すことができました…
今度会った時は…褒めて下さいね…?
…冨岡さんに言われた言葉を思い出した瞬間
私の意識は途絶えた。