第25章 曖昧な幸せ
なとりの唇が首筋を辿り、鎖骨に吸い付く。
な「俺たちの気持ちを忘れられないように、印をつける。」
吸われた跡が赤く浮かび上がり、女は身を竦ませる。
一方でキタニは下腹部を容赦なく攻め立て、脚を強引に開かせた。
タ「観念しろ。もう逃げ場なんてないんだよ。」
低く囁かれた声と共に、熱が奥へと押し込まれる。
「……あ、や……っ!」
突き上げられるたびに、シーツを握る手が震える。
キタニが女の中を荒々しく貫きながら、わざと顔を近づける。
タ「どうした、さっきの勢いは? 俺の名前呼べよ。」
挑発するような言葉が重なり、羞恥と快感がないまぜになる。
なとりはその横で女の髪を撫で、涙を拭う。
な「もう俺たち以外、見られなくなるくらい……わからせてやる。」
そう言いながら胸元へ口づけを落とし、敏感な場所を舌で弄ぶ。
「や、やめ……っ、あぁ……っ。」
制止の声は甘い吐息に変わり、2人をさらに昂らせる。
キタニの腰が激しく打ちつけられるたび、なとりの指先が敏感な部分を優しく慰め2方向からの熱に翻弄される。
タ「なに、もう声抑えられねえのか? お仕置きのはずなのに、気持ちよさそうにして。」
キタニが嘲り混じりに囁けば女は悔しさに涙を浮かべながらも、甘い声を漏らしてしまう。
「っあ……いや……っ、ちが……う……!」
タ「違う? ほんとにそう思うなら、この反応はなんだよ。」
なとりが女の頬を両手で包み、真剣な瞳を覗き込む。
な「……どれだけ揺らいでも、俺たちからは逃げられない。だって、こうして俺たちに溺れてるんだから。」
その言葉に、女は返す言葉を失った。
キタニの熱が奥深くまで突き刺さり、身体が震える。
なとりの唇が重ねられ、逃げ場のない甘さに溺れていく。
2人の嫉妬と独占欲が混ざり合い、女を貫いていく。