第23章 絡み合う影
その沈黙を見透かすように、キタニが腰を沈めてきた。
「……っ、あ……!」
突き上げられる感覚に、声が漏れる。
瞬間、羞恥も理性も吹き飛び全身が熱に支配される。
タ「ほら……やっぱり、止まれないだろ。」
意地悪な声色で囁きながらも、その瞳には強い独占欲と愛情が混じっていた。
荒々しい動きに合わせ、女の身体はシーツを掴み必死に耐える。
声を抑えようとしても、喉からは甘い喘ぎが次々と溢れてしまった。
彼の言う通り――
さっきの勢いは、もう止まらない。
彼の熱を受け入れるたびに頭の中が真っ白になり、ただ彼の名前を呼ぶしかできなかった。
キタニの体重が覆いかぶさり、ベッドの軋む音が熱をさらにかき立てる。
腰を押し込まれるたび体の奥が震え、息が乱れ理性がほどけていった。
「……っ、や……そんな、強く……っ。」
震える声で必死に言葉を紡ぐ。
けれど、返ってくるのはいたずらっぽい笑みだけ。
タ「さっきの勢いはどこ行った? 自分から仕掛けてきたくせに、もう声も我慢できないのかよ。」
その挑発に、胸の奥がきゅっと締めつけられる。
羞恥と悔しさと、どうしようもない快感が混じり合い身体が勝手に反応してしまう。
シーツを掴む手は白くなり、脚は彼の腰を逃げるどころか引き寄せてしまっていた。
自分でも信じられないほど素直に、彼を求めてしまっている。
「ん……あっ、あぁ……!」
動きが深くなるたび、涙がにじむ。
それでも彼の肩に爪を立て、しがみつくことしかできない。
タ「……可愛い声、隠そうともしなくなったな。」
耳元で囁かれ、羞恥で頬が熱くなる。
だけどもう、否定する余裕はなかった。