第23章 絡み合う影
喉を通る感覚に思わず咳き込みそうになりながらも、拒まずに受け入れた。
溢れるような熱と共に、胸の奥まで痺れる快感が走る。
その瞬間、彼女はようやく気づいた。
――彼を求めているのは、自分の方だ。
舌で名残惜しく舐め取り、顔を上げる。
視線が絡む。
彼の瞳は熱を帯び、抑えきれない衝動を宿していた。
タ「……言っただろ。止まれなくなるって。」
次の瞬間、彼に抱き上げられベッドに押し倒されていた。
シーツの上で見下ろす彼の表情は怒りと欲望と、どうしようもない愛しさが入り混じったものだった。
タ「責任……とれよ。」
掠れた声でそう告げられ、女はただ熱に浮かされながら頷いた。
シーツに沈んだ背中から、まだ酔いの熱が抜けきらない。
視界いっぱいに迫るキタニの影が、部屋のランプの灯りに縁取られて揺れる。
その瞳は熱を宿しながらも、どこか余裕をにじませていて息を呑むしかなかった。
タ「……さっきまで、あんなに強引にしてきたくせに。」
耳元で囁かれる低い声。
くすぐるように響くその声音に、背筋が震える。
彼の指が顎をすくい上げ、無理やり視線を合わせさせられる。
逃げられない。
その熱い瞳に捕らわれたまま、言葉を失ってしまう。
タ「今は……おとなしいんだな。」
わざとらしく笑いながら、彼は唇を落としてきた。
舌を絡められるたび、体の奥がじんわりと熱を帯びる。
シーツを掴む手が震え胸の奥から、か細い声が漏れた。