第9章 離れることは許されない
身体を拭いて服を着ようとすると着なくていいと言われる。
「手間取らせないで。」
「手間…?」
「はぁ…君、そんなバカじゃないでしょ。どうせ脱がせるから着ないでって言ってんの。」
やはり、普段優しい人が怒ると怖いな…。
いや、そうではなくて…出来る気がしないのだが。
悟くん怒りまくってるし、そもそも私の心の準備が出来ていない。
誕生日の時は前もって言われていたし、プレゼントという意味もあったからいけたのだ。
というか、あの痛みを知ってしまったら、怖くてなかなか出来ない。
まだ少し痛みが残っている。
血は止まったが、まだ足を開くとヒリヒリする。
だが、今の悟くんに怖いから出来ないと言うのも怖い。
そうこうしているうちに抱えられ寝室まで来ると、ベッドに投げ捨てられた。
身体が少しバウンバウンと跳ねる。
迫ってくる悟くんの目の前に慌てて手を翳した。
「ま、待って待って!まだ心の準備が…。」
「は?もうしたじゃん、出来るでしょ。寝てる僕のモノ咥えてたくせに。」
やっぱりその記憶はあるんだ…。
「悟くん怒ってるからやだっ!絶対また痛くされる…。」
あ…あんなに痛くしないように気にしてた悟くんに対して、酷いことを言ってしまった。
でももう遅くて…悟くんは眉を下げて完全に落ち込んでいる。
「そんな痛かった?ごめん…もうしないよ。」
あ…ほらぁ、私のバカ…。
痛くないようにするにはどうしたらいいんだろう…教えてよ、悟くん。
「たぶんもう奏音は挿入で気持ちいいって感じないかも。怖いんでしょ?不安とかストレスで痛いだけになる。」
またごめんと謝られ、申し訳なくなった。
いくら前戯で濡らしても挿れたら乾いて痛くなるかも、と言う悟くんになんて返したらいいかわからない。
「口で、口でするっ!大きすぎてちょっとしか入らないから、ほとんど手だけど…。」
「やだ。」
やだ!?
ほとんど咥えられないし気持ちよくないのかな…でもちゃんと出てたはず…。
足の間に身体を滑り込ませた彼は、足を持って指を口に含み舐め始めた。
そんなとこ舐めないでよ、汚い…シャワー浴びたばかりでもさすがに…。
擽ったい…。