第5章 縮む距離
起きて朝ご飯を食べ終わってまったりしていると、悟くんは腹筋を始める。
最近こうやって筋トレをするようになった。
どうやら、完全に呪術師に戻るつもりのようだ。
「奏音〜、足押さえて。」
言われた通りに長過ぎる足に抱きつくとまた腹筋を再開して、起き上がる度にキスをされる。
これは、どういうプレイ…?
私も私で避ければいいのに、それをしない。
100回は超えただろうか、大人しくキスをされていると後頭部を持たれてグぅっと唇を押し付けてくる。
長い長い、普通のキスでそんな長くしなくていいから。
心臓、鳴り止め…。
「勃った…。」
「へ?」
悟くんもう限界近いよ…我慢するの身体に悪いから、ちゃんと処理して…。
腕を取られて指を舐められた。
「お願い、触って?」
「あ…え……っと…。」
またお願いと懇願されて、心が揺れる。
「っ…あ………うん…。」
ついに頷いてしまった。
一瞬目を見開いた彼はありがとうと嬉しそうに笑った。
でも期待なんてしないで欲しい…男の人のなんて触ったことないんだから。