第6章 炎の邂逅
蝶屋敷での穏やかな日々が終わり、私は新たな任務へと向かうことになった。今回の任務は、複数の鬼が出現しているという山間の村の調査だ。しかし、この任務には、もう一人、柱が派遣されるという。
「なんでこんなに柱様と会う確率が高いの〜?」
「チッ…お嬢様、とっとと行け!相手は、あの煉獄様だぞ!」
嘆いていると、私の肩で銀次郎が焦れたように鳴いた。
「ふぇぇ…?!煉獄さん…ですか…!?」
私は、彼の圧倒的な強さを知っていた。炎の呼吸を操り、鬼を焼き尽くす、鬼殺隊の柱。彼の存在は、太陽のように眩しく、私のような凡人には、あまりにも遠い存在だ。
「よし!今日も鬼を狩るぞ!」
村の入り口で、私は声の主と出会った。
彼の周りには、燃え盛る炎のような、力強いオーラが渦巻いている。彼の瞳は、太陽のように輝き、口元には、一切の迷いがない、力強い笑みが浮かんでいる。近くにいるだけで燃えて溶けてしまいそうだ。
「君が、愛染知令君だね!君のことは、お館様から聞いている!君の頭脳と、愛の呼吸!素晴らしいな!」
煉獄さんは、私の手を取ると、力強く握りしめた。その手のひらから伝わる熱気に、私は思わず身を固くした。
「ふぇぇ…そ、そんな…」
「うむ!そう謙遜することはない!君の知恵は、鬼殺隊にとって、大きな武器になる!さあ、早速だが、鬼の情報を教えてくれたまえ!」
彼の熱意に押され、私は、手元の分析ノートを彼に見せた。鬼の出現パターン、行動範囲、そして、鬼の持つであろう血鬼術の仮説。私の頭脳のすべてを注ぎ込んだノートを、彼は、真剣な眼差しで読み込んでいく。
「…素晴らしい!君の分析は、まるで鬼の思考を読んでいるようだ!これならば、鬼の待ち伏せも容易に躱せるだろう!」
彼の言葉は、私の心を奮い立たせた。私の頭脳が、煉獄さんには、大きな武器になると言ってもらえた。その喜びは、私の心を激しく揺さぶった。