第5章 友情の輪の中で
そして、その日の夜。私は、蝶屋敷の縁側で、一人の少年と再会した。
「…愛染…」
そこにいたのは、最終選別で共闘した、上杉有馬だった。
彼は、私を見て、少し照れたように顔を赤らめた。
「…上杉くん…!」
「…その…改めて礼を言いたくて。…お前のおかげで、俺は…」
彼の言葉は途切れたが、私は彼の気持ちが痛いほど分かった。
「…私一人では、何もできませんでした。上杉さんと出会えたからこそ、私は私の戦い方を見つけられたのですから。」
私の言葉に、彼は静かに頷き、私に一通の手紙を差し出した。
「…これは…?」
「…俺の…俺からの、お前に…」
彼の言葉は、途切れた。私は、彼の手紙をそっと受け取った。
「…ありがとう、ございます。大切にします。」
私の言葉に、彼は何も答えなかった。
ただ、静かに、夜空を見上げていた。
こうして、私は色んな人達との絆を深めていったのだった。