第4章 分析したい、風の気持ち
冨岡さんとの共闘を終え、私は蝶屋敷に戻り、怪我の治療に専念していた。
「ふぎゃー!うぅ…痛いです…。」
アオイさんに薬を塗ってもらいながら、私は思わず声を漏らした。
銀次郎は、私の肩の上で「ケッ、情けねぇな」と呟いていた。
「まったく、知令さんはいつもこんなことばかり…」
アオイさんが、呆れたようにそう言った。その時、蝶屋敷の庭に、強い風が吹き抜けた。
「…なんだ、あの風は」
銀次郎が、そう言って身震いをした。
庭にいたのは、風柱、不死川実弥だった。彼の周りには、血の匂いが漂っている。彼は、何かを怒鳴り散らしながら、鬼殺隊士たちを訓練していた。
「さっさとやれ!この腑抜けどもが!鬼に殺されたいのか!」
彼の言葉は、あまりにも厳しかった。隊士たちは、彼の言葉に怯えながらも、必死に刀を振るっている。
「…ひどいです…」
私は、思わずそう呟いた。あんな強く当たられたら泣いちゃうかも。
「…チッ、あいつはいつもそうだ。鬼への憎しみが、強すぎるんだ」
銀次郎が、静かにそう言った。