第16章 拒絶・・甘やかし。
―リビングで、ソファに座りながら三人でゆったりしている時間。
「まじで、色々やること多くて……しんどい……しかも台本のチェックもしなきゃだし……」
悠一は少し疲れた声でため息をつく。
杉田と悠一の会話が続く中、唯の心の中はざわつく。
(そっか……3人でって……やっぱり、変だよね……)
「あれ、なぁ唯!……?おいっ」
反応しない唯に、イラッとした悠一は耳元に顔を寄せ、ぱくっと軽く噛む。
「ひゃっ!!ちょっと……っ!」
思わず声をあげる唯。
「さっきからずっと呼んでるけど……ぼーっとしてるなら、俺を癒させよ……」
悠一の声には、甘く絡む独占欲が混じっている。
杉田は洗い物を終え、ソファの後ろに回る。
唯が持っていたマグカップを後ろからスッと取り、テーブルに置く。
「癒すって……僕も唯の癒し欲しい……ずるいな」
杉田は少し拗ねた声でつぶやく。
「僕だって今日、仕事頑張ったんだから、癒されたいんだけど……」
「ちょっと……智和……」
唯は抗うように言うも、杉田は軽く笑いながら、彼女の顔を自分の方に向ける。
そして、ゆっくりと深めのキスを落とす。
「んっ……あぁっ……」
唯の体がびくっと反応し、息が乱れる。頬は熱く、心臓は早鐘のように打つ。
その傍らで、悠一は我慢ならず、唯の首筋に舌先を滑らせる。
唯は二人に同時に触れられ、体が小さく震える。
リビングには、柔らかな灯りの下で三人の熱と甘い吐息が絡み合い、密やかに濃密な空気が流れていた。
ぷはっと、唯の唇から杉田の唇が離れ、銀色の糸が艶やかに引かれる。
杉田:「…… 唯は、前どこで悠一にエッチなことされたの?」
挑発するように笑みを浮かべながら囁く。
中村:「は?だからそういうこと聞くなって……」
苛立った声で遮るが、
唯の頬は赤く染まり、言葉を失う。
杉田:「僕だったら……可愛いとは思うけどさ。仕事どころじゃなくなった唯を、真面目にやれって説教するけどね」
にやつきながら視線を落とす。