第11章 新たな...企み。
中村
「……そっか」
ぽん、と唯の頭に手をのせる。
その仕草はさりげないのに、不思議と安心感を与えた。
中村
「なんかあったら、すぐ呼べよ。迎え行くから」
「中村くん行くよー!」とスタッフに呼ばれ、悠一は視線を新に移す。
中村
「さっきも言ったけど、唯さんはお酒弱いんだ。……なるべく飲ませないでやってくれ」
新
「もちろんです!」
にこやかに答える新。その笑顔の裏を悠一が読み取ろうとしたが、次の瞬間、悠一は二次会の輪に合流していった。
二人きりになった空気。
新
「僕と二次会行くの、嫌じゃなかったんですか?」
唯
「……変なことしないって言ってたし。……目的も知りたいから」
新
「ほんとに意外です。流されやすいタイプだと思ってたんですけどね……」
少し挑発するように目を細める新。
唯
「……行くなら、早く行こう」
踵を返す唯。
新はその背中を見つめながら、口元に小さく笑みを浮かべた。
新人side
そういう人ほど、落としたくなる。
さて……どうやって意地悪してやろうか。
瞳の奥で、何かを企む影が揺れていた。