第9章 Aethelgard Online ~ゲームイベント
会場に向かって歩きながら、唯は心の中でぼやいた。
(唯内心)「2人とも普通だし…私ばかり意識してるなんて、バカみたい…」
考え事をしていたせいで、思わずつまずきそうになる。
唯:「ヤバっ…わっ!」
瞬間、杉田と中村が同時に手を伸ばし、唯を支えた。
中村:「ーーーっぶねぇなぁ。ぼーっとすんな。」
杉田:「大丈夫?唯?怪我ない?」
唯:「う…うん、ありがとう。」
杉田:(微笑みながら)「とりあえず転ばなくてよかった。」
中村:「気をつけて歩けっての。」
ぶっきらぼうに言う中村に、唯の心臓は少し跳ねた。
(唯内心)「なんかドキッとしちゃった…」
思わず顔を両手で覆う。
中村:「ったく…お前はほんと危なっかしいな。」
唯:「ぼーっとしてたの!」
杉田:「でもそういうところが、かわいい所だよ。」
中村:「……まぁ、そうだな。」
唯は昔のことを思い出す。
唯:「そういえば、小さいころも2人ともいつも守ってくれてたよね…。意地悪もするけど…実は特別扱いされてるみたいで嬉しかったなぁ。」
中村は少し呆れたように言った。
中村:「みたいじゃあなくて特別扱いしてんだよ。」
杉田:「昔だけじゃなくても、今もだよ。唯は僕たちの、推しでお姫様だからね。」
微笑みながら言う杉田に、唯は自然と笑顔になる。
唯:「なんか、照れちゃうね。」
中村&杉田(内心)
(唯の笑顔……やっぱり可愛い。)