第7章 その手は逃がさない
悟「……もう、限界だろ?」
耳元で熱く囁かれ、胸元を大きな手で揉み上げられる。
同時に親指が敏感な突起を強く擦り、全身の神経が1点に集中する。
息が詰まるほどの快感が重なり、腰が逃げようと震える。
悟「逃げんな……、一緒に落ちろ。」
背中をさらに密着させられ、悟の鼓動と熱が直に伝わってくる。
奥で脈打つ熱に全身が締め付けられるような感覚が広がり、もう抗えない。
次の瞬間、悟が深く沈み込み限界まで押し込んだまま腰を止めた。
その強烈な圧迫感に、全身が弓なりに反り返る。
喉の奥から、抑えられない声が迸る。
同時に悟も低く唸り、背中をさらに強く抱きしめてきた。
脳の奥まで痺れるような快感が波のように押し寄せ、全身を飲み込む。
内側で彼の熱が溢れ、脈打ちながら深く刻み込まれていく。
その温かさと重なった脈動が、さらに強い絶頂の余韻を引き延ばす。
呼吸も整わないまま、肩で荒く息をしていると悟が額をめいの肩に落とす。
汗が肌に伝い、熱を帯びた吐息が首筋を撫でる。
彼の腕の力は緩むことなく、まるで離す気がないように抱きしめられていた。
悟「……逃がさねぇからな。」
その言葉は低く、けれど妙に甘い響きを帯びている。
力が抜けた身体を預けながら、胸の奥で小さく震えた。
まだ鼓動は早く、呼吸は乱れているのに悟の体温が心地よくて抗えない。
こうして抱きしめられていると支配されている感覚と同時に、不思議な安堵感も広がっていく。
それが、悟の意図なのかどうかはわからない。
ただ、耳元で彼が満足そうに息をつく音が妙に心を締め付けた。