第2章 思い出す記憶
こうして決勝戦も始まる。
1st 風見ハヤト
2nd ブリード加賀
3rd 新条直輝
4th カール・R・F・ランドル
5th アンリ・クレイトー
この順番でのスタート…アンリのすぐ後ろにはグーデリアン、ブーツホルツと控えていた。
ピットから次々とマシンが出ていく。その時、アンリもまた乗り込んでいく。
「…アンリ?」
「何」
「さっきの約束は守れない…ごめんね?」
「えー、じゃぁどうするの?」
「どうって…」
「ほら、アンリ、早く出ろ」
そう修に促されてアンリはウィン…っと扉を閉めてマシンを出す。
「…雅」
「はい、すみません…」
「いや、アンリが勝手に言い出してる事だ。気にするな」
「でも…」
「話はまた後だ。今は集中しろ」
そういわれ、小さく頷きながらも雅はヘッドホンを付けてモニターを見つめた。
視線の先にはブルーの車体のガーランド。しかし気になるのは少しだけ前のピンク紫のエクスペリオンだった。
「…(ダメ…オーナーにも集中してって言われてるのに…)」
しかしそんな様子もクレアは見ていないようでしっかりとみていたのだった。しかし、ブルーに変わり、発進すれば雅もしっかりとガーランドを追いかける。
「…まずまずってところだな」
「そうね」
「アンリ、どうだ?」
『問題ないよ』
「そうか」
短い会話を終えてレースを見守る。早々に新条に仕掛け、らんドルも追い超していく。しかしハヤトと加賀には追い付けることも無いままに終盤に向かっていく。
「…雅、ピットインだ」
「はい!」
そうして次の周回にはピットインを促がすボードを出す。