第40章 甘える加賀
加賀のバイクにはグレイが乗って、フィルに送ってもらう加賀と雅。家の前までくれば礼を言って二人は降りる。
「…ねぇ…城、大丈夫?」
「あぁ。問題ねぇよ」
「問題ないって…でも…」
「心配しすぎ。」
しかし歩いているものの、どことなくふらつき、つなぐ手は熱く熱を帯びている。
部屋に入り、眠りにつくかと思いきや、加賀はシャワー室に直行していった。
「…熱ある時でもレース後は仕方ないか…」
その間に水と薬を用意して待つ雅だったものの、気が気ではなかった。何か軽くでも食べれるものを…と作り出す雅の背中からいつの間にか出てきて髪もドライヤーが当てられている加賀がぎゅっと抱きしめてきた。
「…城?」
「わり…少しだけ…」
「少しは…その…いいんだけど。なんていうか…ご飯は?」
「いい」
「いいって…お薬飲まないと…」
「それだけもらう」
「…もぉ…」
ゆっくりと腕を離せば雅からコップと薬を受け取った。ごくっと喉を薬と水が通る。それだけで雅の視線はいけないと思いつつも釘付けになっていく。
「…何?」
「別に…、ほら、薬飲んだらベッドで寝て?」
「来てくれねぇの?」
「…だって…ご飯何か作らないと…」
「なら雅食べたら来て」
「…ッッ」
すっと横を通り加賀はおとなしすぎるほどに部屋に向かっていく。そのままかちゃりと小さな音を立てて扉はしまった。
「…もぉ…」
シャワーだけを浴びて、着替えを済ませれば雅もまた寝室に向かっていく。
「…城?」
「ん?」
しかしそこには横にこそなっているものの眠ってはいない加賀の姿がある。