第39章 珍しい嫉妬
「ごめんなさい、二人放っておいて…」
「そんな事はないさ、大丈夫。それよりも真坂さん、強くなったね…」
「え?」
「スゴウに居た時とは全く違う。加賀さんの事をよく見てくれて…それでいて一生懸命で…」
「風見先輩…それじゃスゴウに居た時の雅が不真面目だったって事?」
「いや、そうじゃなくて…」
「クスクス…アンリ、そういう事いわないの。大丈夫です、言ってくれてる事解ります。ありがとうございます。ただ、まだまだ弱くて…城の横に立ってられるのもいつまでかなとか…」
「そんなこと言わないでくれる?」
「え?」
「僕の元を離れて行ってたった二戦目でそんな事を言われたらこっちはたまったもんじゃない」
「アンリ…!」
「だってそうでしょ。加賀の元で辛いっていうのはチームが違ったからだろ。傍で支えられないって…でも今は違う。マシンこそ雅が支えられなくても加賀の、加賀自身を支えるのは雅だけでしょ」
「…ッッ」
「全くだな」
そうアンリに納得したように背後から声をかけたのはリックだった。その後ろにフィルもいる。
「…城が雅を連れてきたときに見せたあの目が俺は気に入った。それがあったからだ。ふと弱くなる時なんざ誰にだってある。でも今回のレースも城が走り切ったのは雅が待ってるって言ったからだろ。それにあいつも帰るまで待ってろって言ったしな?」
「……リック」
「で、次のレースまでの間、雅はやることが山積みだ。頼んだよ、加賀の事。」
「フィル…」
「そういう事。加賀の横にいる資格だ何だは考えるだけ愚門だよ。全く…」
「…クス…アンリの言うとおりだね…」
フッと顔を上げて雅の視線には強さが戻っていた。