第39章 珍しい嫉妬
それでも二位以下に落ちる事は無いままに、チェッカーを受けた加賀。ピットに戻れば珍しくマシンから降りるときにふらついた。
「…城…!」
雅も咄嗟に手が出るものの、近くにいたグレイのが一歩早く、抱えられる。
「…大丈夫だ、グレイ」
「大丈夫なワケねぇだろ」
しかし腕からするりとすり抜ければメットを外して雅の元に向ってきた。
「わりぃな…二位で」
「バカじゃないの…こんなになるまで…」
「リタイヤなんてカッコつかねぇだろ…待ってろって言ったのに」
「…だからって…」
しかし肩に凭れる様にして加賀が雅に体重をかけている。そんな時だ。ポールトゥーウィンを続けていた加賀が二位と言う事でメディアもやってくる。
「グレイ、ごめん…城頼んでいい?」
「おぅ」
そうして雅はメディアの前に立っていく。
「…すみません、加賀ですが体調不良のためインタビューを控えてもらえたらと思います。」
「しかし!」
「お願いします。」
「……シャンパンファイトは?!」
「そちらも申し訳ありません、欠席させていただきたく思います。」
頭を下げて回る雅だった。そんな雅にフィルとリックも声をかける。
「ここは任せておいて?」
「でも…」
「いいから、二位の登壇がないのを伝えないと…」
「そうなんだけど…ッッ、じゃぁ…お願い…」
マスコミの相手を二人に任せ、加賀の事はグレイに任せ、雅は関係者の元に向っていく。
「…そういう事ですか…解りました。」
「申し訳ありません…よろしくお願いします。」
「お大事になさってください」
理由を話し、運営側にも解ってもらってピットに戻っていく雅。