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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第32章 新機、登場


パソコンを打ち出す雅の後ろから加賀は覗き込む。

「…早ぇだろ、それ」
「え?そうかな…」
「ほんのコンマ1秒とかの感じだぜ?しかもモニターからじゃ解りにくい…」
「だからって違和感はあっても何とかなるとかって思ったでしょ?」
「うるせぇよ」
「そこ上げたらもっと速くなるじゃん…」
「ある意味怖ぇよ、」
「怖くないよ、じーって見てたら解る」
「少なくともリックは気づいてなかったみてぇだけど?」
「でもこれでリックやグレイ、フィルが手直ししてくれたらまた走ってみるんでしょ?」
「当然だろ」
「…フフ…」
「なんだよ」
「城の事こうして待てるのは嬉しい」
「惚気てんじゃねぇよ、出来たぞ?」
「てか早!」
「俺らの事舐めんなよ」
「…すご…」

そうして加賀にメットを渡せばもう一度乗り込んだ。

「…これでタイムが変わればいいんだけどよ」
「変わるよ、絶対…」

見つめるモニター。そこに出されたタイムを打ち込んでいく雅。

「城?タイム出た」
『で?』
「マイナス1.2」
『…さすが』

それだけの声掛けで目の前を走り去っていくマシンを見てメカニックの三人も顔を見合わせていた。

「…よく気付いたな、雅」
「城が降りた時、なんか納得できてなさそうな顔してたし…」

さらに二周して戻ってきた。

「…今度はどうだ。」
「サンキュ、さっきよりは上がりやすい」
「ならよかったな。」
「初戦に備えとくわ」
「あぁ、助かる。」

嬉しそうに笑みも増えていった五人だった。その日自宅に戻った雅と加賀。夕飯を摂り、先に加賀が入浴を済ませた。戻ってくればリビングで雅はパソコンと向き合っている。
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