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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第32章 新機、登場


「リック!」

そう加賀に呼ばれてリックも集まる。

「…俺走ってる時、雅に声かけても返事ねぇかもしれねぇからな?」
「は?」
「ま、俺的にもお手並み拝見って所なんだけどな?」

どことなく嬉しそうに加賀も笑う。そろそろ乗り込むかという時に雅はそっと近づいてメットを渡した。

「…サンキュ」
「ん、気を付けてね?」

いうだけ言って一歩引こうとした時だ。くっと肩を掴まれて雅の唇に加賀のキスが落ちる。

「…行ってくる」
「…ッッ…ん」

そうしてメットを被ればマシンに乗り込んだ。

「テストコースとはいえ…すごいよなぁ…」
「ま、それだけかける意義がある男だからな」
「ん、確かに…」

ヴン!!とうなりを上げるマシンにビリっとする感覚を覚えたかと思えばゆっくりと出ていく加賀。
そこからは雅もモニターを見つめながら時折パソコンに入力していく。

「城?どうだ?」
『雅いるか?』
「ん、居るよ?」
『じゃじゃ馬どこじゃねぇよ、』
「…クス…そっか…」

笑っている雅を見ながらリックもまたそんな雅を見ていた。
四周ほど走った時、加賀が戻ってくる。

「…お疲れ様」
「おぅ」

メットを受け取ればグッと降りてくる。

「それで?どうだ?」
「全体に軽いな。振られる事はないけど」
「そうか…」
「ねぇ城?」
「んぁ?」
「コーナーあがりのスピードの乗り、どう?」
「…軽いって言ってんだろ?」
「待て、リック。城?どうだ?」
「確かに、少し上がるまでにかかるかもな」
「…で?どうしたらいいと思う?」
「…・・・」
「雅?」
「え?私?!」
「他に誰がいる?」
「正解とか解らない…」
「クス…」

小さく笑えばリックは驚いたように見るもののすぐに表情は柔らかくなった。

「なるほど、な。サンキュ」
「お礼言われる事?」
「いうだろ」

そうしてマシンをいじり出した。
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