第32章 新機、登場
「って言っても本当に性別云々じゃないけど…大事な相棒になるのか、彼女になるのか…でも、なんかデータとか見ると優しい子なのかなって…」
「優しいってか?」
「だって…」
そういうとグレイにもらったデータを見ながら雅は話し出す。
「ガーニーフラップもどちらかと言えば中心下がり、車体自体がどちらかと言えば軽めに設定されてるから、女の子かなって…ほら。」
そういいながらも3D画像をもとに話していた雅をみてグレイやフィルはほぅ…っと納得を示す。
「…でもな、城はどちらかと言えば軽い車体を好むんだよ。それに合わせただけだ」
「うん、だから女の子かなって…」
「乗ってねぇから分かんねぇけど、…」
そう言いながらも加賀も話に加わる。
「…細身だよな。こいつ」
「まぁな」
「女だとしたらこいつもじゃじゃ馬だな」
「へ?」
「こいつらの整備するマシンがおしとやかだった試しがねぇよ」
「そんなこと言って…」
『でもまぁ…』と切り出した加賀。
「こいつらのマシンは乗りやすい。乗ってみっか」
すとん…とコックピットに乗ればするりとハンドルを撫でる。
「…ッッ」
「シートの問題は?」
「ない」
そう答えながらも時期に降りればどことなくわくわくした表情のまま着替えに向かっていった。雅はそんな加賀を見送りながらもパソコンに向かう。
「…てかさ?」
後ろからリックがまたしても声をかける。
「…ほんとに何者な訳?これで素人とかありえないでしょ?」
「素人…ですよ?」
「どこかの回し者か?」
「違いますって…」
「リックそのくらいにしとけ」
「だって、そうも思うぜ?」
「私は、今まで城と一緒に走れなかったから…だから一緒に走れるの嬉しくて…」
「それだけで?」
「…?そうじゃないの?」