第32章 新機、登場
「リック、」
「んー?どうかした?父さん」
「皆にも会えたし、そろそろ行くな?」
「あぁ、解った。ありがとう」
そう話してる所に雅もノートパソコンを持って戻ってくる。
「あ、ムーアさんお帰りですか?」
「あぁ、君にも、城太郎にも会えたからね」
「そうでしたか…これから長い間よろしくお願いいたします。」
「クスクス…あぁ、僕の方こそよろしく」
そうしてムーアはその場を後にしていく。雅はそんな相手を最後まで見送ればくるっと向きを変えてグレイを捕まえる。そしてパソコンを開いて送ってもらったデータを確認しながらもいろいろと聞いていた。
「…むず…」
「難しいか?」
「多少違いもあるけど、今まで見てたマシンと構造が…」
「なるほどな。」
「でもこれが今度から城が乗る子なんだね…嫌われないようにしないと…」
「んぁ?何言ってんだ」
「リック、だってそうでしょ?イケメンたちの中で女性私だけだし…」
「…?」
雅の言っている意味がいまいちつかみ取れなかったリック。
「…え?おかしいこと言った?」
「…ごめん、解らない」
「あ、変な事言ったかな…」
パソコンを前に少し焦り出した雅だったが、リックは真面目な顔つきで雅に問いかけた。
「どういう意味?」
「えと、ボディもピンクっぽい色と白のカラーリングだし、かわいいなって…それに女の子だったら…」
「マシンに男も女も無いでしょ」
「あるよ!」
「は?」
そのやり取りを聞いてフィルとグレイも少し興味津々で聞いていた。ただ一人加賀を除いて…