第32章 新機、登場
翌日、加賀と一緒にバイクに乗って雅も一緒にメカニック三人とマシンの居るガレージに向かっていく。
「なんか緊張するね」
「そうか?」
「だって、そうじゃない?城の新しいマシン!」
「まぁゼッケンは最後の番号だけどな?」
「それは仕方ないでしょ。」
「まぁな」
そう話しながらも早々に着けば、バイクを降りて二人話しながら向かっていった。
「…おー!城!こっち!」
「わるいな、遅くなった」
「大丈夫だ。俺らが勝手に先に来てただけだし」
「おはよ、雅」
「ん!おはよう、フィル、グレイとリックも!」
「おう、おはようさん!」
そうして話していれば少し離れた所からシャツ姿の男性が歩いてきた。
「やぁ、おはよう。城太郎」
「…おはようございます、ムーアさん」
「君とまた出来るのは嬉しいな」
「こちらこそ、お世話になります」
「そして、そちらの女性がリックの言ってた雅さんか?」
「あ、えと、初めまして。真坂雅です」
「よろしく。」
「雅?俺の父さん。昔もスポンサーになってくれてて、今回も受けてくれた。」
「へ?あ、…えと…」
「少なくとも、城太郎が走ればすぐにでもスポンサーは大量に着くと思うけどな。はじめはうちが出す。」
「…リックのお父さんって、何者?」
「声に出てるっつぅの。」
そういわれて雅は真っ赤になり『すみません…』と謝っていた。その姿にムーアもくすくすと笑っていた。聞けば有名会社のアメリカ側支社のトップというのを知った雅。
「すみません…失礼しました。」
「大丈夫だよ。レースに関しては全くの無知にも近い。この場においては君のがよほど優秀だ」
「…なぁににやけてんだよ」
そう言いながらもリックが雅の肩をグッと抱いた。