第7章 ホノオ
「まったく、あのクソ親父は俺にまで個性婚を…」
『…轟くんがエンデヴァーを憎む理由、だいぶ分かった気がするよ』
どうやらエンデヴァーの見込み通り、私には炎猫獣の素質があるらしい。
今日一日、エンデヴァーの炎で何度も炎猫獣化させられた。
どうやら炎猫獣も心を開く相手がいなくても気絶させて仕舞えば正気に戻るらしく、エンデヴァーの炎で炎猫獣され手が付けられなくなる度、エンデヴァーの大技で気絶させられ正気に戻させられた。
不思議なことに、気絶させるために繰り出された技で受けた怪我は、意識が戻る頃には治っていた。流石に体が切断されるような大怪我や内臓が破壊するような毛がは治らないらしいが、おおよその怪我は自然と治癒されてしまうらしい。
これが、炎猫獣が最恐と言われる所以らしい。
轟の言う事を聞く炎猫獣になるまで、職場体験中はパトロールと並行して訓練を行うらしい。これは、職場体験が終わっても呼び出されるパターンか、?と思いつつも、私自身強力な力を得られるのではないか、という期待に少しだけ胸が躍っていた。
そして、ハードな1日を終えた夜。エンデヴァーの令により、私と轟くんは同じ部屋で一夜を共にすることとなったのだが。
『轟くん…その、手に持っているものは、?』
「わからねぇ。さっき、風呂上がりにアイツから渡された」
『…エンデヴァー……何考えてんだ…』
轟くんが手に持っていたのは、親が高校生に贈るには少々、いや普通気が引けるはずの避妊具だった。