第7章 ホノオ
『ゆ、雄英高校、ヒーロー科1年!渡橋芹奈、キャッティ・アイと申します!よろしくお願いいたします!!』
「そんな堅くならなくていいぞ」
ついに始まった職場体験。私は結局、エンデヴァー事務所へ。もちろん、いただいたスカウトの中で最も実績があり、学べることも多いと判断した結果だ。
初日、私と轟くんは何やら訓練場のようなところへ通された。
「突然だが、キャッティ・アイ。お前は猫の個性だな」
『は、はい』
「炎は苦手か」
『っ!…はい』
なぜあのエンデヴァーが私を指名したのか。体育祭でそれなりに爪痕は残せた気がしていたがエンデヴァーの目に留まるほどの活躍はできていなかった気がする。
個性が関係しているのか?
「昔、猫の個性を持つ女が狙われていたというのは知っているか」
『はい。私の母も、狙われて命を落としました』
「そうか。ではこの歴史書を読め。読み終わったらコスチュームに着替え隣の部屋へ来い」
『はい』
エンデヴァーから分厚い、少しボロボロな薄い本を受け取った。横にいる轟くんは小さい頃に読んだことがあるらしい。
私は貴重な職場体験の時間を無駄にするわけにもいかないのでページをめくった。