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[ヒロアカ]爆豪くん、離しておくれ-爆豪勝己-

第6章 マタタビ




「あら、渡橋さん、おはようございます」


『おはようヤオモモぉ…』


「元気がありませんわね?」


体育祭明けの代休2日が過ぎ、登校。したのだが、良くも悪くもあの体育祭は注目されるわけで、今日の登校は普段の倍以上の疲労を得た。


『それが…』


カバンから取り出したのは大量の手紙。全て封は開けておらず、カバンに急いで詰め込んだので折れているものもある。


「これ全部今朝いただいたんですか?」


『うん…』


家を出て駅に着くとそこでまず小中の同級生に待ち伏せされ、電車に乗って一度落ち着いたと思いきや学校の最寄りに到着してからが本番だった。


『今の時代に知らない人からこんなお手紙もらうなんてさ…』


「渡橋、これ全部ラブレターじゃない?」


『え、まじ?中身見てないよ』


話が聞こえたのか耳郎ちゃんや葉隠ちゃんも私の机に集まり手紙を物色している。中を読んで良いかと聞かれたが、どの手紙を誰からもらったかなんて覚えてないので許可した。


「体育祭での芹奈ちゃん、とっても可愛かったです。あのキューティーな尻尾で体を締め上げられたい、です……

こっっっっわ!キッッッモ!!」


『えぇ…』


尻尾で体を締め上げられる、なるほど。と少しだけ合点がいく。
体育祭の最終種目、トーナメントの初戦で当たった青山くんとの試合だ。先手で青山くんがビームを発射し、それを避けながら距離を詰め、お腹を下し始めた青山くんを尻尾で巻きつけ場外へ丁寧に運んだ。

そのプレーがとある性癖を持ち合わせた層にハマった、ってわけか。


「ねぇ、これ…
私は猫コレクターの猫田と申します。体育祭であなたの美貌を目にした瞬間、ビビッときました!ぜひ、うちの専属モデルとして…

って、なんかスカウトされちゃってるよ!?」


『ね、猫コレクター…?こわ』


「私、聞いたことがありますわ。猫の個性を持った女性ばかりを狙う集団があると…」


『あぁ…うん…それが原因でお母さん、亡くなったんだ…』


流れでつい言ってしまったが、とんでもない爆弾発言をしたようで、周りにいた皆の表情が凍りついた。
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