第1章 カンケイ
「あぁ?テメェんなとこで何してんだ」
そろそろ帰ろっかーと3人で話していると目の前に見覚えのある目付きの男が現れる。
『親交を深めるための女子会だけど』
「ふっ…オメェみたいなクソ女に女子会なんざ言葉似合わねぇっての」
『相も変わらず愛嬌とかないんだから…そっちこそそんなツンケンしてるといつまで経っても彼女どころか友達なんてできないよ?今日だって出久のこと虐めようと…』
「わ、私たち邪魔しちゃいけないから先帰るね!また明日!」
勝己といつもの熱量でオハナシしていると2人が帰ってしまった。やってしまった。勝己と話しているといつもこうだ。
「おいどこ行くんだオメェ」
『家に帰るんだけど、何』
カバンに手を掛けベンチから立ち上がると勝己に肩を捕まれる。
「テメェまた道に迷う気か。方向音痴なのちったぁ自覚しろ。アホ猫」
『っもう1人で帰れるし!迷子でピーピー泣いたのなんて何年も前の話でしょ!?』
「そりゃ俺がいつも一緒に歩いてやってっからだろうが!」
『勝己が勝手についてくるだけでしょ!?もう、1人で帰れるし!高校生なんだから!』
若干周りからの視線は痛かったが、勝己の手を振り退け駅に入り家へ向かう電車を探した。なんとか20分かけてホームまで辿り着き、人混みに紛れながらもなんとか電車に乗り込むことができた。ほら、もう高校生なんだから、と頭の中の爆発野郎にふんぞりかえる。いつまでも勝己に守ってばっかじゃいられない。そのためにヒーロー科を選んだんだから。