第2章 カラダ
「わぁー!渡橋さん、完全に三毛猫やね!」
オールマイトによる戦闘訓練。入学前に提出したヒーロースーツに身を包むと横のロッカーで着替えていた麗日さんに声をかけられた。
私のヒーロースーツは髪や尻尾と同じ3色のもこもこで全身を包んだスーツだ。寒がりで寒いと体が動かなくなるからその対策でもっこもこに仕上げてもらった。
とはいえ全身もこもこすぎると動きづらいから肩や肘、膝などの関節部分やお腹などは生地を開けてもらった。
これで通気性も保温性も機動性も優れたスーツが出来上がったわけだ。
『麗日さんも色合いめっちゃかわいいね!』
「うん…ちょっとピタッとしすぎな感じやけど…」
着替えて移動をしながら話をしているうちに、お互い名前をちゃん付で呼び合うまでに発展したのだが…1人、付き合いが長いにも関わらずよそよそしい奴が…
「あ!デクくん!」
お茶子ちゃんの声で後ろを振り返ると真緑のスーツに身を包んだ人が。あ、ちょうど今考えていた人だ。
『出久?へーオールマイトみたいじゃん!』
「ヘぁあ!?と、渡橋さんっ!?あ、あ、ありがとう!!と、渡橋さんも、す、すっごく!似合ってる!!!!!!」
勝己の次に付き合いが長いはずの出久にはいまだに敬語で苗字のさん付けで呼ばれている。