第13章 ヒーロー
『………っ』
重い瞼を開けると相変わらず冷たい空気の漂う無愛想な部屋。
私はまた裸でベッドの上で寝ている。
男に抱かれ続けたソコはヒリヒリするし、マタタビの効果がそこそこ残っているのか体は熱って気だるい。
あの男に折られた足首はいまだに変色したまま痛みが走る。持ち上げるだけでもかなり痛い。
『ぁ………』
声を出そうにも掠れてまともな声が出ない。
嫌だったのに、感じてしまっていた自分が情けないし、声が潰れるまで喘いでいたことが悔しい。
ソファの下に散らかされた服は、ところどころが燃やされて破かれている。
一応、何も着ないよりはマシだろうと個性を駆使してぷかぷか浮かんで取りに行く。
服を着るのも精一杯なほど、体のあちこちが痛い。
でも、この場に男はいない。外に男の気配もしない。
またモタモタして男が帰って来たら大変だ。また、抱き潰される。
ドアノブに手をかけ、捻ってみるとやはり鍵はかかっていない。
不用心なのか、はたまた、?
ドアを開けようとした瞬間、何か大きな気配を感じた。あれは、知っている。
見たことがある。
普通の成人女性が、建物よりも大きく
ヒーローのお出ましだ。