第12章 ヘヤ
ドアノブにかけたはずの手はそのまま空振り、ドアが開いた。
体の重心を見誤った私はそのまま体が倒れ、そこに立っていた男の胸に飛び込む形となった。
「あ?お出迎えか?よっぽど俺のことが恋しかったんだなぁ」
『やっ…ちが、』
男に顎をグイッと掴まれそのまま唇が触れ合う。抵抗する力のない芹奈は黙って体を預ける他選択肢がなかった。
舌が絡み合い水音と甘い吐息が溢れる。
「すぐにアジトに戻んなきゃならねぇんだ。さっさとヤるぞ」
『っや、やだっ…』
体が離れたかと思えばすぐに男に腕を引かれる。片足しか地面につけられない状態で踏ん張ろうとするも敵うはずかない。
「やだ?俺がこの部屋を出てから5時間は経ってる。その間拘束してたわけでも鍵を閉めてたわけでもねぇ。
それなのにどこにも逃げ出さなかったのに、やだってか?」
『っそれは、寝てたからっ』
「何必死に言い訳してんだ。本当は俺とすんのが気持ち良かったんだろ?
また、俺とヤりたくてここに残った。違うか?」
『違うっ!』
「嘘言うなよ。あんなによがってたじゃねぇか。体は正直だよな」
『んあっ』
Tシャツの下から主張した突起をキュッとつね上げると体がビクッと震えた。
マタタビの効果は未だ健全である。
「ふっ…感度良好だな」
怪しげに笑う男は涙を浮かべ立ちすくむ芹奈を抱えソファへ下ろした。