第14章 交錯する夜

恵「……もう、俺も我慢しない。五条先生がどう思ってても、譲る気ない。」

唇が彼女の耳たぶに触れた瞬間、ぞくりと背筋を駆け上がる快感が彼女を貫いた。

悟と恵、2人の愛撫が競うように交互に時に重なるように彼女の感覚を支配していく。

スカートの裾がたくし上げられ素肌が露わになっていく感覚に、羞恥と快感が同時に押し寄せてくる。

それでも、拒む言葉はもうどこにもない。

むしろ、2人の手を自ら引き寄せているのは彼女自身だった。

悟の手は巧みに、まるで女性の体の奥を知り尽くしているかのように動き恵の指先は不器用ながらも真っ直ぐで、だからこそ彼女の心に深く食い込んでくる。

「……あ、んっ……。」

思わず漏れた声に、悟の眼差しが鋭くなる。

そして、彼女の顎を掴んで無理やり唇を奪った。

深く、激しく、奪うように。

恵の手がその間も彼女の太ももを撫で続け、どこまでも熱が高まっていく。

恵「声、出すと……余計に煽られるぞ。」

恵の低い声が、耳元でくすぶる。

彼女は応えようとするがもう、うまく言葉にならない。

ただ、吐息と震えだけが今の自分を物語っていた。

悟の指先が、彼女の喉元を優しく撫でる。

悟「可愛い……全部、僕たちだけのものにしたくなる。」

その言葉の熱が、皮膚を通して芯まで染み渡るようだった。

そして3人は、まるでお互いを貪るように熱と吐息を交わし続ける。

重なる肌と肌、絡む指先、濡れた瞳が見つめ合い交じり合う心と心。

冷たい蛍光灯の下、まるで現実から浮かび上がった夢の中のように彼らの熱はいつまでも止むことはなかった――。