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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第11章 離れゆく心


「神谷、ええ…せんくてええ。」


意味がわからずに手をついたまま彼を見つめる。

副隊長は近寄ってきて私を抱えて座らせると、額に手を翳した。


「やっぱまだ熱下がってへんな。休むか?」


「熱…?いえ、大丈夫です。」


気付いた亜白隊長が無理をせず休めと言ってくれるが、本当に体調は大丈夫なので断りお礼を言う。


「そうか…なら、お前ら2人は私についてこい。神谷は話が終わった後、大丈夫なら訓練を頼む。」


やっぱそうなりますよねぇ…他の隊員にも聞かれたんだし。


小石や砂がついた私の手を払い、腰を抱いて歩き出す彼に大丈夫ですと言うが離してくれなかった。

建物の影まで来ると隊長に断って何故か横抱きにされる。


「ふらふらしとるんで、すんません。この後、医療班のとこ連れていきます。」


気にするなと言う亜白隊長は手短に話し始める。


「基地内では程々に…それと、今回のことはお前らが収めろ。神谷は今日は休め。保科は神谷の分も頼むぞ。」


「「了。」」


どうやらお咎めはないようだ、よかった…。

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