• テキストサイズ

未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第11章 離れゆく心


「やぁあああ、んぐっ!?」


「るさい、叫ぶなボケ。」


起きたら副隊長が目の前にいて思わず叫んでしまい、起きた彼に口を塞がれて睨まれた。

副隊長がいるということは…あれは夢じゃなかった…?


「副隊長、なんかしましたよね?」


「なんのことや?ちゅーか、鍵掛けや。気付いたんが僕やなかったら、襲われとったで。」


絶対触ってた…じゃなくて、鍵を掛けていなかったことに驚く。

鍵も掛けずに私はあんな格好をしていたのか。


起き上がった副隊長はまだ時間あるから寝ときと頭を撫でる。


「僕行くからちゃんと鍵掛けるんやで。」


なんか今、おでこ触ってた?

頭を撫でられたかと思ったが、額を触っていた気がする。


隊服を持って部屋を出ていった彼を慌てて追いかける。


「あ、あのっ!えっと…副隊長も、まだ休んでてもいいんじゃ……。」


引き止めたかったけど、引き止める理由がわからなかった。


「……んなっ、アホか!出てくんな!」


私の後ろに目を向けた彼はすぐに隊服を肩に掛けてくれて、そのまま私を部屋に押し込んだ。

ベッドに放り投げられて、すぐに扉を開ける。


「なんも見てへんな!!ええから、なんも見てへんな!忘れへんとぶった斬る。」


やはり隊員がいたのだろうか。


扉を閉めてこちらを向いた彼は布団を掛けてくれた。


「もう寝れへんやろ、ちょお待っとき。」


その格好で出るなよと釘を刺して今度こそ部屋を出ていった。


少しすると戻ってきて、その手には水を持っている。

なんのかはわからないが口に薬を押し込まれて水を飲まされた。

何?と首を傾げるとバカなんかと呆れて頭を撫でてから部屋を出て、もう戻ってくることはなかった。

/ 153ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp