第3章 未知
胸から手が離れ腕で隠すとその腕を取られて、ベッドに縫い付けられる。
「なんで処女みたいな反応しとるん?慣れとるやろ、男に身体見られるなんて。」
恥じらいを嫌がる人もいると聞いたことがある。
面倒臭いからと。
それでも、好きな人に見られるのは次元が違う。
どうでもいい相手ならなんの感情も抱かない、だけど好意を寄せている相手なら、知って欲しいと思うのに恥ずかしくて堪らない。
「私にとっての男は…副隊長だけ、です。」
「いろんな男知っとるくせに…まあええ、副隊長やなくて宗四郎や。やっとる時に役職で呼ばれたない。」
宗四郎と言いかけて、保科さんと呼んだ。
名前を呼んでしまえば、そのまま好きと言葉にしてしまいそうだから。
こんな私に好きだと言われても嫌なだけだろうから…。
「ふーん?呼ばないんや?呼ぶまでイかせてやらん言うても呼ばない?」
「え…なんで……っ、んっ…。」
どうするん?と聞きながら股間を押し付けて擦ってくる。
「ははっ、さっきイってへんやろ?ええん?イけてなくて苦しいんとちゃう?」
手を拘束していた手が離れ背中に回る。
軽く浮かせるとホックが外され、ブラが抜かれていく。
恥ずかしい…けど、面倒臭いと思われたくない。
隠したくなる衝動に駆られながらも耐えて彼を見つめる。
君から言い出したから言うけど…と言って姉の話をし出す。
「君、璃子さんと似てへんよな。顔も似てへんし、身体も性格も、なんもかんも。」
そりゃあ、私は姉と違って出来損ないだから…。
でも、と続けた彼を黙って見つめる。
「璃沙の方が可愛ええ。璃子さんはあないな性格やからモテるけど、僕は君の方がええよ。訓練も体調管理も下手やけど、ちゃんと自分を持って頑張っとる。」
あぁ、どうしてこの人はこんなにも欲しい言葉をくれるんだろう。
これだから好きなのをやめられない。
「僕がいぃひんと生きていけなそうで、ほんまに可愛い。」
僕が全部管理したるなと笑い、胸の突起を弾いた。
別に私はそんなことをして欲しいわけじゃないのに…それでも、彼の近くにいれるのなら嬉しいとさえ思った。
もし彼が好きな子とどうこうなるつもりなら身を引くつもりだ。
好きな人には幸せになって欲しいから…。