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未来の為に【怪獣8号:保科宗四郎】

第15章 新しい家族


朝目が覚めてシャワーを浴びてホテルを後にする。

朝食を食べて、少しだけ観光してから東京へと戻った。

そのまま彼はタクシーへと乗り込み、龍寧神社と口にする。

どうして、龍寧神社?


「璃沙と璃子さんが僕についてきたい言うとった時あるやろ?あん時、カフカも連れてそこ行ったんや。彼女の璃沙と一緒に来たいなぁ思っとった。」


もう彼女じゃあらへんけど、と笑う彼を見て私も笑った。


龍寧神社につきお参りをして、タクシーを待たせているので少しだけ見て回る。


「ここって、むかーしの明暦の大怪獣との戦地だったんだよね?」


「そやで?僕のご先祖もここに祀られとる。君のお姉さんとご両親も。」


江戸時代明暦3年、江戸の大部分と関東各地を焼け野原にした大災害。

龍寧神社、もっとも大きな戦いがあった場所。

歴史上最も多くの討伐者が死んだ地。


もうそんな歴史は繰り返さない。


どんなに頭が悪くとも、このことだけはしっかりと覚えていた。


「さて…ほな、そろそろ行こか。」


鳥居を潜り、龍寧神社を後にしようとしたら、突然向かい風に吹かれ、まだ行かないでと言われている気がした。

振り返ると…ほんの一瞬だけ、気のせいかもしれない…両親と姉、そして…宗四郎によく似た人が見えた気がした。

私の大切な人たち…。


また前を向くと、今度は追い風になる。

私たちの未来は、あなたたちがいてくれたおかげで、眩い光を放って待っているの。


振り向き手を差し出して待ってくれている未来に駆け寄った。

私はこの人とこの人の子と…たくさんの小さな命の為に、いつまでも戦い続けよう。

その先にはきっと…明るい未来が待っているはずだから。


「なぁなぁ、2人目の名前は"未来"にしよか。」


未来の話をする彼にそうだねと笑った。

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