第16章 決断
翌日、反乱軍が挙兵したと報を受け、織田軍も出陣した。
反乱軍鎮圧のメンバーは信長様、秀吉さん、政宗、慶次、三成くん、琴葉、私だ。
家康さんが琴葉を連れていく事に渋っていたが、信長様の御命令なら仕方ないという感じでで最終的に嫌々ながら承諾した。
私は琴葉と一緒に後方で救護活動をする。
「(今回は前線に出されずに済んだけど、気を引き締めていかないと‥‥‥)」
安土を発って数日後には戦が始まった。
「御報告申し上げます!左翼部隊、反乱軍を撃破。このまま本陣へ突入します!」
「右翼部隊、敵の本陣に押し進めています!」
次から次へと伝達の人が信長様へ戦況報告する。
だが、報告を聞き終えた信長様の顔は険しかった。
「‥‥妙だな」
「何か違和感が‥‥?」
信長様の元へ地図を広げているとまた報告が入った。
「申し上げます!右翼部隊、何者かの奇襲により挟み撃ちされました!」
この短時間で形勢が一気に逆転された。
「あえて織田軍を敵本陣に誘い、隠れていた伏兵が本命だったというわけか」
信長様は瞬時に事態を理解し、側にいた秀吉さんに何かを伝えこっちに向かって来た。
「この戦、後ろで誰かが操っている。俺も出陣する。ここの指揮は秀吉に任せた。こいつの指示をよく聞け」
そう言って信長様は数名の兵士を連れて前線へ行った。
「美桜。何かあっても良いように、馬を近くへ移動させてきてくれ」
「わかった。その後は救護天幕に行って手伝ってくるね」
「ああ、ありがとう。怪我人が多いからな、あいつらも人手を欲しているはずだ」
私は近くにいた織田の兵を何人か呼んで手伝ってもらった。
「にしても美桜様は力持ちですね」
「私達よりも体術は強いですし。こう言ってはなんですが、心強いです」
「ありがとうございます。私からしたらあなた達の方が心強いですよ」
安土城で体術を教えている兵達だったため少し雑談をしながら馬を移動する。