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あなたに出逢う

第14章 京



「(秀吉さん、今頃心配しているだろうな。光秀さんにお母さんかとか言われて揶揄われてそう。家康さんは琴葉が心配だからとかで追おうとして信長様に止められるのが想像できる‥‥)」

そんな事を考えてていると琴葉が店から出て来て手を出してと言われ、両手を出す。

「はい、プレゼント」

手に乗っているのは桜の髪飾りだ。繊細な細工でとても綺麗な髪飾り。

「ありがとう。でも、どうして?今日何かあった?」

「ううん、日頃の感謝を込めて。それにこの髪飾りくれたでしょ?お返し」

琴葉の髪についているのは私達がここに来て間もない頃、安土の城下でプレゼントした椿の髪飾り。

「ふふっ、嬉しいわ。本当にありがとう」

早速髪に着ける。流石私の趣味がわかってるなと思うほど、私のツボにハマった。

「うん、思った通り。似合ってる!黒髪だからよく映えてる!!」

お互いがお互いに贈り合った髪飾りで町を歩く。そうこうしていると突然声かけられた。

「貴方はもしや美桜様でございますか?」

背の高い男に声をかけられて一瞬、警戒するが顔を思い出す。

「はい。そういうあなたは桜丞さん、でしたね?」

「覚えてくれてありがとうございます。そちらの方は?」

桜丞さんが琴葉の方を見て聞く。

「私の親友の琴葉です」

「初めてまして」

「あなたが琴葉様でございますか!千姫様からお話は聞いております。この後お時間はありますか?是非姫様に会いに来てくれると喜ばれます」

「(千は琴葉のことも少し話していたのね。なら会わせてあげたい)」

琴葉に良いか聞くと承諾してくれた。琴葉も千に会いたがっていたしこの機会逃すと次いつ会えるかわからない。

「時間も大丈夫です。お願いします」

桜丞さんに着いて行き、人生で初めて立派な屋敷に足を踏み入れた。
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