第21章 誤魔化し
甚「おい、どこ見てんだよ。」
甚爾の低い声が、室内に鋭く響いた。
ミクの瞳が悠仁の方へ向いた瞬間だった。
甚「俺が中に入れてるってのに他の男見ながら喘ぐとか、どういうつもりだ?」
荒々しく髪を掴まれ、顔を無理やり戻される。
後ろから深々と突き上げるその動きは、まるで支配を刻みつけるかのように重く、容赦がなかった。
「やっ……! そん、な、強くしないで……っ!」
腰が逃げようとしても、がっしりと掴まれて動けない。
だが、涙をにじませるミクの横顔に、悠仁がすぐさま近づく。
悠「甚爾さん、やりすぎ……っ。そんな顔、させたくてしてるわけじゃ……!」
彼はミクの頬に触れ、優しくキスを落とす。
その対比に、ミクの体はますます混乱していった。
甚「おい、ガキ。人の女に情けかけてんじゃねぇよ。」
悠「情けなんかじゃない。俺は……ミクのこと、大事にしたいだけだ。」
悠仁の声が震えていた。
けれどその眼差しは、真っ直ぐで、怒りに燃えていた。
甚爾は鼻で笑うと、腰をさらに深く押し込んだ。
甚「ああそうか。なら、大事にするのはあとだな。今はこうして、俺が中をめちゃくちゃにしてるんだからよ。」
「っ……く……!」
ミクの体がビクンと跳ねる。
快楽とも痛みともつかない衝撃が下腹部から波紋のように広がった。
「やめて……ケンカ、しないで……お願い……。」
震える声でそう告げるミクに、悠仁が応えるように手を伸ばし、ミクの胸元へそっと触れる。
指先は優しく、けれど熱を含んでいて、ミクの震えた息を誘った。
悠「だったら、ちゃんと……俺のことも見て。」
そう囁くと、悠仁はミクの唇に深く口づけた。
舌が絡み、息が絡む。
だが、後ろでは甚爾がなおも執拗に、乱暴に腰を打ちつけていた。