• テキストサイズ

【鬼滅の刃】月が綺麗ですね【R指定】

第3章 鬼に稀血


実弥は顔を上げて仁美を見た。

お互いに顔を紅潮させて、荒い息を吐きながらお互いを見ていた。



……仁美の目は赤いままだった。



栗色の淡い目が美しいと思った。

だけど血の様に真紅の色の目が実弥を捉えると。

その目に全ての感情が奪われる気分になった。




仁美は実弥の顔を見て、涙が込み上げてきた。

実弥に抱き付いて彼の肩に顔を埋めた。




………温かい……。

人間の体温はこんなにも温かいのだと初めて知った。




仁美が知っているのは無機質の様な肉の感触。

血は通っているだろうが、その体から体温は感じない。

ただ快楽を貪られるだけの重ね合う体。



こんなにも互いの体温を感じて安心する感覚は初めてだった。



「…連れて行って…お願い…。私も連れて行って…。」



仁美の涙声が実弥の耳元で聞こえた。

その声を聞いた時に、情欲に支配された体がゆっくりと凪いでくるのが分かった。



実弥は仁美の体を木から離すと、仁美を抱き上げて自分の胸の中に収めた。



「…ああ…何処までも連れて行ってやる。」

/ 259ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp